人権って何だっけ?(7)まとめ

最近、人権をテーマにブログを書いています。
そのきっかけは、アンガーマネジメントによるパワーハラスメント対策の案件が増えたことと、「アンガーマネジメント経営賞」のプロジェクトの立ち上げに関わったこと、そして、広島で「アンガーマネジメントと人権」というテーマで話をすることになった(10/28開催済み)ためです。

パワーハラスメントは「人権侵害」のひとつであり、「アンガーマネジメント経営賞」は、アンガーマネジメントを共通言語として、お互いの人権を尊重し、ハラスメントや差別のない職場を目指した表彰制度です。

そもそも「人権」とは何かということで、調べたことをブログにまとめています。

「人権」を辞書で引くと「人間が人間として当然に持っている権利」(デジタル大辞泉)と書いてあります。

その“当然の権利”を、現代の人権の考えの基本となっている「国際人権章典」(世界人権宣言、国際人権規約2つ、選択議定書2つ)からざっくりとまとめると下記の内容となります(川嵜まとめ。人権って何だっけ(3)参照)。

  • 生命や安全、生活水準保持
  • 教育、自由な思考、発言、創造活動
  • 適切な労働、組合活動、集会
  • 結婚、離婚、財産保有、移転
  • 国籍、法による保護、公正な裁判、迫害からの避難

つまり、安全に暮らせ、教育が受けられ、思想、表現の自由があり、適切に働け、家庭や財産が持て、国や法によって守られている状態です。

多くの日本人はそうであっても人類すべては難しい現状

この権利は、多くの日本人は、自分はおおむねそんな状態だと思っているのではないでしょうか。実際に、権利をどこまで行使できているかは別として。

日本の「国民生活に関する世論調査」で、9割以上が自分は中流だと答えている「一億総中流」の時代は、1970年代~2019年まで続いています。この年まで調査員による聴き取り方式だったのが、2021年からは郵送方式となっていますが、自分が中流だと思う人は、2021年89.1%、2022年89%とそこまでは下がっていません。
自分は「まあフツウでしょ」と思っている人が多いのではないでしょうか? もっとも「世論調査」に答える余力がある人たちの結果かもしれませんが(2022年の有効回収率62.9%)。

人権は、他の権利とは異なり、付加的な(プラスの)権利ではなく、そうであるのが基準(ゼロ)です。得たり保持したりするための義務や条件は一切なく、すべての人が生まれた瞬間から何もしなくても持っている権利です。損なわれたり、足りなかったりする状態(マイナス)は、「人権侵害」となります。

人権侵害の個別案件は、人権侵害をされた人が、した相手を、国内の該当する法に照らし合わせて訴えることになります。法務省の「主な人権侵害類型と被害者の救済にかかわる制度等」が参考になります。法務省では「人権侵害を受けた方へ」というページも設けています。

また、各国の人権の状況に関しては、国連人権理事会から各国の政府に対して勧告がなされます。

国連人権理事会から日本へは、300の勧告(第4回審査 2023年1月)が出されていますが、日本は、フォローアップすることを受け入れる180、部分的にフォローアップすることを受け入れる26、留意する58、受け入れない36という回答をしています(出所:ヒューライツ大阪)。

国連の世界人権宣言は、第二次世界大戦やホロコーストへの反省から誕生し、残虐行為を繰り返さないために「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約)」も採択されています。

しかし、今回のガザ攻撃に対して、国連人権高等弁務官事務所・ニューヨーク事務所の元所長、クレイグ・モカイバー氏は、「私たちの目の前でジェノサイド(集団殺害)が繰り広げられるなか、国連がそれを止めることができず無力である」と発言しています(出所:ヒューライツ大阪)。

人権は、自分とは相容れない相手や敵であっても保障されなければなりませんが、そういう相手は「人間」と見なさず、差別、人権侵害するケースが少なくありません。

そのため、人類すべての「人権」を守っていくのは、なかなか大変です。

けれども、地球を破壊することができるほどの力(核兵器)を持った人類が、「人権侵害」や、とくに「集団殺害(ジェノサイド)」に何らかの理由づけをして、応酬を繰り返せば、行き着く先は、人類滅亡かもしれません。

いろいろな出来事は、未来人が客観的に裁くはずですが、人類滅亡して未来人がいなくなってしまっては、どうしようもありません。