対話による解決のためのアンガーマネジメント

6月6日はアンガーマネジメントの日
6月6日は、「アンガーマネジメントの日」です。
この日は、2015年に一般社団法人日本記念日協会に正式に認定されました。「ムカムカ(6カ6カ)」の語呂合わせと「怒りを感じたら6秒待つ」というアンガーマネジメントの基本ルールにちなんでいます。
また、日本アンガーマネジメント協会では、昨年から6月を「アンガーマネジメント月間」と位置づけています。
今年の6月6日には、当協会ファウンダー・安藤俊介による新刊『いますぐできる!接客・サービス業のためのアンガーマネジメント「相手の顔をつぶさず、受け流す」カスハラ・ハードクレーム対応』の出版を記念したトークショーが、Zoomにて無料で開催されます。詳細はこちら
この機会に、自分や他人の怒りとの付き合い方を見直してみませんか?
子どもにも学んでほしい、アンガーマネジメント
アンガーマネジメントは、大人向けだけではありません。
日本アンガーマネジメント協会では、5歳から小学生向けの「キッズプログラム」、12歳から18歳向けの「ティーンプログラム」も提供しています。
この春、キッズ向けに教える資格が取得できる「アンガーマネジメントキッズインストラクター養成講座」が改訂され、これまで「4時間、3万3000円(受講料+認定料)」だったところを、「3時間、2万2000円(受講料+認定料)」に、内容の充実度は変わらず、より手軽に受講できるようになりました。→ 川嵜担当の講座
誤解されがちな子ども向けアンガーマネジメント
「子どもにアンガーマネジメントを教えるなんて、感情を抑え込ませるのでは?」という声を聞くことがありますが、これは誤解です。
アンガーマネジメントは、「怒らないように我慢すること」ではなく、「怒る必要があることは上手に怒ること」を目指しています。
キッズプログラムでは、「怒る時の3つのルール」を教え、このルールを守れば怒ってもいいと伝えています。
怒りを悪者にするのではなく、「どう扱えばいいか」を学ぶことで、感情を爆発させずに行動できるようになるのです。
また、怒りだけでなく、喜び、悲しみ、不安といったさまざまな気持ちが、自分にもほかの人にもあること、それらはどれも大切な感情であることを、プログラムの中で伝えています。
教育がつくる未来~世界に拡がってほしい心の教育~
子どもの時に受けた教育は、その人の価値観や行動に大きな影響を与えます。
もし、子どもの時に、「自分たち以外の民族には人権がない」「平和を願うのは甘い」「相手を殺さなければ自分たちが殺される」といった教えを受けていれば、大人になってもそう考え、行動するでしょう。
一見極端に感じるこれらの考えも、世界のある地域では現実に存在し、今日も多くの人の命が奪われています。
一方で、私たち日本人の考え方も、他国からは「ありえない」と見えることもあります。
世界には多様な歴史、文化、価値観があり、何が「正しいか」は国や地域によって違っていたりします。
人権教育が進んでいる国でさえ、実質的に「自国民だけが人権を持つ」といった限定的な認識になっていたりするのも事実です。
しかし、互いの立場を認めず、自分だけが正しいという考えに固執すれば、争いは絶えません。
だからこそ、今こそ「対話による解決」が求められていると思います。
国内の市民社会では、対話や法による判断で問題解決を目指す仕組みが整ってきました。これは決して絵空事ではなく、実践されている現実です。
こうした土壌を育てていくためにも、子どものうちから「感情を見つめ、表現し、相手の話に耳を傾ける力」を育む教育が必要だと、私は強く感じています。
感情を学ぶことは、未来の争いを減らすこと。対話による解決がスタンダードになれば、世界はもっと平和になるでしょう。アンガーマネジメントは、そのツールのひとつだと思います。