アンガーマネジメントに腹を立てる人たち

「6秒は意味がない」という発言

アンガーマネジメントに対して、腹を立てている人たちがいます。
「怒りを我慢できる人が偉いのか?」
「怒るのが人間じゃないのか?」と怒っています。

さらに、「6秒で怒りが消える? ありえない」と言う人もいます。
最近も、あるネットの有名人が「6秒は意味がない」と発言していました(アンガーマネジメントに対して怒っているわけではなさそうですが)。

アンガーマネジメントに腹を立てる人の多くは、自分を否定されたと感じています。
・怒る自分を否定された
・我慢できない自分をバカにされた
・理不尽なことに対する、自分の“正しい怒り”まで否定された
そう受け取ってしまっています。

その防御反応として、アンガーマネジメントに対する怒りにつながっているのかもしれません。

有名人の場合は、最近徐々にポピュラーになってきたアンガーマネジメントに異を唱えることで、独自性を出しているのかもしれません。

なかには、「6秒って、6秒以内に倒すやつだよね」と、ファブル(どんな相手でも6秒で倒す、伝説の殺し屋の漫画、映画)を絡めたネタにする人もいます(これはネタで、腹を立てているわけではありません)。

いわゆる「食わず嫌い」で怒っている

ちなみに、アンガーマネジメントは、怒りを否定するものではありません
怒りは自然な感情であり、自分を守る役割がある。問題なのは、怒りに振り回されてしまうこと。怒りを「我慢する・なくす」のではなく、「上手に付き合う」ためのノウハウです。

「6秒」に関しても、キレて、暴言・暴力につながらないよう、まずは落ち着くためのものです。その際、少しイラっとした段階、コントロールできる段階で落ち着こうということです。

けれども、それらを知る前に、イメージでアンガーマネジメントを捉え、否定してしまっている、いわゆる「食わず嫌い」なのです。

怒りやストレスを発散する「アンガールーム」

ちなみに、先ほどのネットの有名人は、6秒我慢しても怒りは消えないので、人にわからないように1人でキレればいいという提案をしていました。また、1人で怒りを発散させているうちに、自分の姿を客観的に見ることができるとの話でした。

「発散」ということでは、ストレスを発散するための場所「アンガールーム」というのが、10年以上前からアメリカにあり、日本にも進出しています。音楽を大音量でかけて、野球のバットやバール、ハンマーで、皿やグラス、いろいろな物を壊すというものです。

以前のブログ(下記)でも書いたように、研究論文では「怒りを発散することで、怒りが解消され、攻撃性が減少する」という効果も、逆に「怒って物に当たると逆効果」ということも証明はされていません。

全然関係ない話ですが、オフィスの目の前で、大規模工事をしていて(下記写真)、日々、法律の規制の85デシベルに近い、石を砕く音などが響き渡っているので、大音量の中、物を壊す発散は、自分にはよりストレスになると思います。

専門家も誤解していることがある

アンガーマネジメントが徐々に知られてくるなかで、「6秒で怒りが消える」「もうイライラしない」「怒らない人になる」などのインパクトの強い言葉が一人歩きしている感じもします。

また、医者などの専門家でも、アンガーマネジメントに関して、誤解しているケースもあります。
たとえば、アンガーマネジメントは、「その場しのぎのテクニック」という誤解だったりします。

アンガーマネジメントには「対処療法」と「体質改善」の両方があり、後者は認知行動療法に基づき、半年から1年以上かけて取り組むプログラムが、とくにアメリカではポピュラーです。

誤解したまま、研修に参加しない人たちも

アンガーマネジメントに腹を立てている人の多くは、誤解したまま、アンガーマネジメントの研修や講座に、参加しないことが多いようです。

企業の人事や研修担当の方が、「参加してほしい人たちは『6秒だろ? 知っているよ。意味ない』と参加しないんですよ」と話してくれることがあります。

また、別の研修の後の雑談で、「えっ、アンガーマネジメントってそういうものだったんですか。じゃあ、やったほうがいいですね」と言われたこともあります。

アンガーマネジメントの本質は、考え方の幅を広げる学びであり、大人にとっても、子どもにとっても、それぞれの人生をよくしていくヒントがあります。ですので、私は、今後も伝えていこうと思っています。