【喜怒哀楽の謎】いつ誰が言いだしたのか? 喜と楽の違いは?

このブログを簡単にまとめたYouTubeのショート動画です。
日常的に使っている言葉だが、その正体は?
私たちは日常的に「喜怒哀楽」という言葉を使っています。
しかし、この言葉、いつ、誰が言いだしたのでしょうか?
また、「喜」と「楽」はどう違うのでしょう?
じつは、この疑問、私が講座を終えて、受講者に「何でも質問してください」と言った際に聞かれたものです。即答はできず、後で調べて連絡しました。
ルーツは紀元前の中国にあり
「喜怒哀楽」という四文字がセットで登場するのは、今から2000年以上前の中国の古典『礼記(らいき)』という本です。
前漢(紀元前202年~紀元後8年)の時代に編纂されたという『礼記』の一篇「中庸(ちゅうよう)」に記されています。
日本には、5〜6世紀の古墳時代から飛鳥時代にかけて、儒教の経典とともに伝わってきました。
もとは7つ、「七情」だった
この「喜怒哀楽」のもとになった考え方に「七情(しちじょう)」があります。
「七情」は、春秋戦国時代(紀元前770年~紀元前221年)に、儒家、道家の思想(儒教や道教のもとになった思想)として登場し、漢の時代に体系化されました。
代表的な七情は「喜・怒・哀・楽・愛・悪・欲」です。
「愛」は愛情、「悪」は嫌悪・憎しみ、「欲」は欲望を指します。
もうひとつの「七情」がある
ちなみに、中国には、もうひとつの「七情」があり、それは「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」です。
「憂」は不安、「思」は思い悩む(考えすぎ)、「悲」は哀に近い悲しみ、「恐」は恐怖、「驚」は驚きです。
こちらは、中医学(東洋医学)で使われ、「感情の過不足が身体の不調を生むので、整える必要がある」と捉えられています。
「喜怒哀楽」だけが一般的に使われるようになった
日本には「喜怒哀楽」と「七情」の両方が伝わり、江戸時代に儒学が普及し、寺小屋などで学問が庶民に広がることにより一般化していきます。
そして、7つは少し多いため、シンプルで分かりやすい「喜怒哀楽」が、現代まで残ったと言われています。
ですので、「喜怒哀楽」は、誰か一人がパッと思いついた流行語ではなく、長い歴史の中で選ばれた四文字なのです。
「喜」と「楽」はどう違う?
ではもう一つの疑問、「喜」と「楽」の違いはどうでしょう?
「喜」は、何かを得た瞬間の反応です。
試験に合格したとき、目標を達成したときの「瞬間的な高まり」です。
一方で「楽」は、持続する心地よさです。
安心して過ごしている時間や、満たされている状態です。
つまり、
喜=瞬間的な高まり
楽=持続的な心地よさ
という違いがあります。
感情にはそれぞれ役割がある
喜怒哀楽の感情には、それぞれ大切な役割があります。
- 喜:「また得よう」という行動につながる
- 怒:大切なものを守るための防衛反応
- 哀:失ったものを受け止め、立て直すためのプロセス
- 楽:エネルギーを回復し、持続するための土台
感情は、私たちを動かすエンジンです。
ただし、中医学でも言われているように、それぞれの感情は、強すぎても弱すぎてもバランスを崩してしまいます。
感情に振り回されるのではなく、その役割を知って味方につける。
それが、よりよい行動や人間関係につながっていくのではないでしょうか。

