歴史は「メンツ」で動いている?~オッペンハイマーを見に行きました

映画「オッペンハイマー」を見に行きました。
いろいろな人の「メンツ」で、世の中は動き、歴史も動いていると思いました。

オッペンハイマーは、ストローズのメンツで危うい感じになりましたが、アメリカは、開発に20億ドルもかけたメンツで、なにがなんでも原爆を落としたかったのだと改めて思いました。

「日本を降伏させ、戦争を終わらせるためには原爆が必要だった」と言って、アメリカ国民を納得させるために。

残念なことに、この「戯言」は、いまだに全世界で信じられています。
けれども、小学生のときに、そんなことは事実ではないと、下記の話を聞かされている自分としては、本当に悔しい思いがします。

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1945年4月から、日本はソ連を仲介役として、連合国と停戦交渉を行なうことを考え、5月にソ連に働きかけた。けれども、ソ連は既に対日参戦することを決めていたので、無視していた。7月にソ連は米英に伝えたが、ソ連も米英も、日本からの申し出は放置することにした。
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つまり、日本が停戦を望んでいることを、アメリカは知っていたのです。
しかし、どうしても原爆を落としたかったし、落としたからには、世界を納得させる理由が必要だったわけです。

3発目の原爆を8月14日に東京に落とそうとしていたギリギリのところで、日本の無条件降伏の連絡が入り、メンツが保たれたので、ストップしたわけです。

せめて自分は覚えておきたい

映画のなかで、原爆を作った人(オッペンハイマー)よりも、落とした人(トルーマン)が恨まれるだろうと言っていましたが、日本人は、オッペンハイマーもトルーマンも恨んでいないと思います。

ですが、せめて自分ぐらいは、オッペンハイマーもトルーマンも、ロスアラモスもアメリカも、ついでに言うと、何度も戦争を終わらせるタイミングがあったのに、これまた「メンツ」のために終わらせなかった日本の政府も、忘れないで、許さないようにしようと思います。
そうでないと、未来を失ってしまった人たちに申し訳ないし、忘れられた過去は繰り返されるので。

映画が終わった後、泣いている人が何人かいましたが、どんな涙だろうと思いました。
自分は、悲しくて悔しい気分でしたが。

イスラエルのネタニヤフ首相も、自分のメンツのため、パレスチナを大規模破壊し、大量虐殺していますが、そういう「今だけ、金だけ、自分だけ」のメンツにこだわる人たちには、政治家になったり、要職についてほしくないと思います。