トランプ氏勝利で思うこと

アメリカ大統領選で、トランプ氏が勝利を収めた。

この結果は、アメリカにおいて、変化を求める人たちのパワーが、現状維持派を上回ったことを示している。

トランプ氏に関しては、その人間性に疑問の声が多く出ていた。たとえば、1987年に出されたトランプ氏の自伝のライターも、今年になって、トランプ氏は、自己中心的で嘘つきと言っている(WIREDの記事)。

けれども、自分たちの生活が改善されることを求めている人たちにとっては、とにかく現状が変わればよく、その可能性が高いと思われる選択をしたに過ぎない。

一方で、ヒラリー氏側の人たちは、現状が脅かされるのは困るという理由で、ヒラリー氏を選んだはずだ。

そして、変化を求める人たちのパワーが上回るのは、アメリカ的なのかもしれない。
2009年に大統領になったオバマ氏も「チェンジ」を掲げ、その期待で選ばれたようなものだと思う。

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よくも悪くも、人々のその時々の気分、感情のパワーが、世の中を動かしている。
これは、今回の結果に限らず、株価や組織、ビジネスにおいても、そういう側面があると思う。

私が、いま、「アンガーマネジメント」や「モチベーションマネジメント」に注力しているのも、人を動かす「感情のパワー」に着目しているからだ。

感情のパワーは、自らを動かし、まわりの人たちを動かす、建設的にも、破壊的にも。

経営者を取材したり、相談を受けたり、一緒に仕事をするなかで、うまくいく人とそうでない人との違いについて考えてきたが、そのかなり重要な要素に「感情のパワー」があると感じている。
うまくいく人には、本人のメンタル的な強さ、執念とともに、まわりの人たちの気持ちを理解、感謝し、やる気を高めることができる力があると思う。

感情のパワーは、しかし、「炭水化物(エネルギー源)」みたいなもので、「タンパク質(構成要素)」や「ビタミン(調整、バランス)」も必要だ。

大きな組織、集団になればなるほど、どこに向かうのかというビジョンや計画、実現するための仕組みづくり、臨機応変な調整力がないと、カタチにはならない。

さて、トランプ氏は、どのようなカタチを作っていくのだろうか?