好きな本「ビジョナリー・ピープル」
土曜日(2月4日)に、本の交換会「ブクブク交換」に、初めて行きました。
今回のテーマは、
(1)大切な人に贈りたい本、
(2)恋愛が描かれている本。
私が持って行ったのは、(1)で、「ビジョナリー・ピープル」。
「ビジョナリー・カンパニー」の著者の1人が書いた本で、私の好きな本です。
世の中では、「ビジョナリー・カンパニー」のほうが支持されており、私もこのシリーズは好きですが、「ビジョナリー・ピープル」のほうがより気に入っています。
「カンパニー」のほうが組織を、「ピープル」のほうが個人を研究テーマにしていますが、組織の成功と個人の成功は必ずしもイコールではなく、むしろ、相反する場合もあります。こういったビジネス書を読む人の多くは組織人であり、組織の成功、組織のなかでの個人の成功について興味があるため、「カンパニー」のほうが読まれているのではないかと思います。
ビジョナリー・カンパニー
「ビジョナリー・カンパニー」は4冊出されています。94年(日本では95年)に出された1冊目、「ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則」は、世界でロングセラーになっています。ひと言で説明すると、一流企業18社の繁栄の源泉を探っている本で、それは「基本理念」すなわち「単なるカネ儲けを超えた基本的価値観と目的意識」を維持し、進歩を促す具体的な仕組みを整えることにあるというものです。
次に出されたのは、2001年で「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」。飛躍企業11社の秘密を探っていますが、そこには「謙虚さと職業人としての意思の強さを兼ね備えた指導者」がいて、社内に規律を重視した文化を築きながら、じっくりと時間をかけて改革を実行しているというものです。
そして、2006年の「ビジョナリー・カンパニー【特別編】」は、「2」での分析は、営利企業だけでなく社会組織、警察、学校、病院などにも適用できるというものです。
「ビジョナリー・ピープル」は、この次の年、2007年に出されており、2010年に「ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階」が出されています。
「3」は、かつては、一流企業、飛躍企業であったにも関わらず「衰退の五段階」を歩んだ会社11社に対して、どこが岐路となったのかを分析しています。「衰退の五段階」は、「第一段階:成功から生まれる傲慢」「第二段階:規律なき拡大路線」「第三段階:リスクと問題の否認」「第四段階:一発逆転の追求」「第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅」ですが、非常に頷ける内容です。
ビジョナリー・ピープル
「ビジョナリー・ピープル」は、企業・組織ではなく個人にフォーカスを当て、長期的に成功をおさめている人を取材し、その秘密を探っています。
成功の定義ですが、ビジョナリー・ピープルとして選ばれた本人たちは、一般的な成功の概念、富、名声、地位、権力などを成功だとは思っていません。自分にしかできないことをやり、個人的な充実感を味わっている状態を成功だと感じています。
彼らは「他の人から好かれようとするよりも、自分の好きなことに執念を燃やして」おり、「自分が愛されることよりも、自分が愛しているものになることを意識し」ていますが、こういった部分に、私は非常に共感しました。
子どもの時に、女の子は、勉強ができるのは好かれないので、テストでわざと間違えるようになどと言われ、憤りを感じたことがあります。そういう、人の目を意識して、自分をセーブするという発想も相容れないし、八百長で勝ったことに気づきもせず喜ぶ人たちに好かれる意義も感じられなかったのです。その頃から、自分の判断基準ということを意識し始めました。
「ビジョナリー・ピープル」は、自分が意義があると思うこと、自分の大好きなことをしようとします。
世の中の多くの人たちは、自分にとって大切なことではなく、世の中に評価されることをしようとしますが、「ビジョナリー・ピープル」は、自分にとって大切なこと、自分が本当に望んでいることは何か、という考え方です。
行動において「重要なのは、自分の心と直観に従う勇気をもつこと」。自分が意義があると思うこと、やりたいことをとことんやれば、充実感を得られるし、長期的にうまくいく。それは、世間的な成功とは異なるかもしれないけれども、自分にとっての成功だというものです。
私にとっては、非常に勇気づけられる本です。
フェイスブックで紹介されていた「ナースが聞いた『死ぬ前に語られる後悔』トップ5」には、下記のようなことが書かれています。
- 「自分自身に忠実に生きれば良かった」……「他人に望まれるように」ではなく、「自分らしく生きれば良かった」という後悔
- 「あんなに一生懸命働かなくても良かった」……仕事に時間を費やしすぎず、もっと家族と一緒に過ごせば良かった
- 「もっと自分の気持ちを表す勇気を持てば良かった」
- 「友人関係を続けていれば良かった」
- 「自分をもっと幸せにしてあげればよかった」
自分に忠実に生きても、もちろん、うまくいかないことも多いし、失敗したり、大打撃を被ることも多々です。けれども、そういうプロセスにも意味があり、それも含めて人生だろうと思うのです。