表示されない時代の戦い方〜個人編

前回は「企業編」として、「商品や求人が埋もれてしまう」という中小企業の悩みに対し、「空中戦」と「地上戦」という視点から書きました。今回は「個人編」です。

ボーダーライン以下だと、表示もされない時代、
就活や婚活で、「条件検索ではじかれてしまう」場合、どう戦えばよいのか?
新卒、転職、婚活における方法を探っていきます。

空中戦では条件から外れると「表示されない」

今や、就活も婚活も、まずはプロフィールやスペックで判断されます。
・就活なら:学歴、成績、インターン歴、エントリーシートの見映え
・転職なら:年齢、職歴、資格、キャリア実績
・婚活なら:年齢、年収、職業、(見た目)

条件で検索し、外れるとそもそも画面に出てこないという“足切り”“非表示問題”が起きているのです。

地上戦は「会えばわかる」の世界

これに対して地上戦ですが、基本は「人と会う」です。
誰に会うのか? つながりがない、自信がない。
そんなときでも、下記のように“話を聞いてくれる人・聞かせてくれる人”はいます。

・新卒就活生の場合
大学のキャリアセンターの相談員
OB・OG(紹介してもらい訪問する)
少人数の説明会に行き担当者と話す
中小企業のインターンや職場見学

その際、自分が「どんな人か」伝えるとともに、相手の話をよく聞きます。

・転職の場合
ハローワーク、就労支援センター、人材紹介会社の職員
合同説明会や再就職イベントの担当者
元同僚や知人から紹介を受ける

・婚活の場合
地域の婚活支援スタッフ
小規模な婚活パーティーへ行く
紹介や知人のつながり
趣味サークル、ボランティア、読書会など(知人を紹介してもらう)

それでも「厳しい」と言われたら?
「今の条件では難しい」と言われても、それは「この方法・その周辺では」の話で、担当者との相性もあります。別の担当者や、別の機関、集まりで評価が変わることもあります。

就職せずに独立するという選択肢

転職の場合、「自分で仕事をつくる」という、独立・起業という選択肢もあります。
・スキルを活かしてフリーランスに
・小さなビジネスを始める
・副業から仕事を育てて本業にする

ただし、独立・起業は、向き・不向きもあり、準備と覚悟、ノウハウが必要なので、「まずは小さくやってみる」「信頼できる人に相談する」など、本格的に動き出す前のトライアルを行なったほうがよいでしょう。

日常的にやっておきたいこと

加えて、下記のことを日常的にやっておいたほうがいいでしょう。

「自分の言葉で語れるネタ」を貯めておく
→ 小さな体験や学びをスマホにメモ
→ 自己紹介、面接、プロフィール文に活用

プロフィールや写真を定期的に見直す
→ 「共感される」「安心感がある」表現や写真に修正

話す・聞く機会を日常に取り入れる
→ 地域イベント、オンラインの少人数の会などでコミュニケーション力をつける

「誰かにお願いできる関係」を育てる
→ 今の知人に加えて、昔の知人へも連絡しておく

小さな実績や信頼を積み重ねる
→ 信頼を大切に行動する。約束は守る。口約束はしない
たとえば「今忙しくて、〇月にぜひ」などと言っておきながら、忘れたままだと、言われた側は覚えていて、「〇月というから、スケジュールを詰め込まないようにしていたのに。その後も連絡がなく、まったくあてにならない」と、知らないうちに信用を失います。〇月が無理なら、せめて連絡を入れましょう。

「見つけてもらえない」時代だからこそ、関係を築ける場を“見つけに行くこと”を意識するとともに、会えば伝わる強みを育てましょう。
また、こちらも、相手(就職先、結婚相手)を条件だけで探し、大事なことを見落としている可能性もあります。その点を意識して、相手の「本質」や自分との相性を見るようにしたほうがよいでしょう。