戦略を立てるのにも、アンガーマネジメントの考え方は使える~IDAサイクル、OODAループにも
昨日、私は、自衛隊大村駐屯地でアンガーマネジメントの研修を行ないました。
テーマは、一般の隊員向けが「アンガーマネジメント 冷静さと協調心を高めるために」、女性隊員向けが「人間関係に困ったときのアンガーマネジメント」、指導者向けが「決断力の向上につながるアンガーマネジメント」です。
「冷静さ」「人間関係」、まあ「協調心(助け合って任務を進める)」は分かるけれども、「決断力の向上」?と思われるかもしれませんが、アンガーマネジメントの考え方は、いろいろな意味で、決断力の向上の役に立ちます。
人や環境、自分のネガティブな感情に振り回されないし、課題解決のテンプレートがあるからです。
そして、戦略を立てるときにも役に立ちます。
私は、戦略本はけっこう好きです。会社員のとき、「想定外の事態」が頻発し、たいへんな目に遭っていたので、戦略を考えないとダメだと思い、孫子の兵法とか、クラウゼヴィッツの「戦争論」、ハンニバル、スキピオ、その他の本を読み、「へ~、なるほど~」と思いました。
最近、「自衛隊元最高幹部が教える経営学では学べない戦略の本質」(折木良一著)という本を読んで、「あっ、アンガーマネジメントの考え方は、戦略を立てるのにも使える!」と思いました。
戦略を立てる前に、さまざまな情報、とくに相手の情報を集めますが、その際、「相手の立場で相手の行動を考える」「自らのバイアスを外す」必要があると、この本に書いてあります。
アンガーマネジメントの考え方は、まさにこれ「自らのバイアスを外して、相手の立場で考える」なので、部下指導にも良好な人間関係構築にもつながるわけですが、情報収集、分析にも役に立ちます。
業務改善には、PDCAサイクルを使いますが、自衛隊の作戦遂行には、IDAサイクルを使い、米軍の大佐が提唱した意思決定の理論に、OODAループがあります。
このI、OOのあたりで、「自らのバイアスを外す」は重要です。
「自らのバイアスを外す」と、メンタルも強化され、イージーモードで過ごせるようになります。
ところで、自衛隊関連の本としては、「自衛隊メンタル教官が教える折れないリーダーの仕事」(下園壮太著)という本も参考になります。これには、長期戦のヒントなどが書いてあります。