トランプ氏勝利で思うこと2
トランプ氏は、「大統領の器ではない」「当選はあり得ない」と言われてきた。
メキシコ系、ヒスパニック系の移民や、イスラム教徒への発言など、人種差別主義者として批判を受けてきた。女性蔑視発言や障がい者の物まねも問題になった。
暴言を吐いて叩かれる。その様子は、慎重さや丁寧さ、思いやりとは対極にあり、信頼が必要な、国のトップというポジションには、おおよそ似つかわしくない印象だった。
けれども、アメリカ国民は、トランプ氏を大統領に選んだ。
どんな層がトランプ氏を選んだかについて、CNNの出口調査の記事がある(ハフィントンポストの記事)。
それによると、男性、40代以上、白人の割合が高い。
女性、30代以下、黒人、イタリア系、アジア系、その他の人種のそれぞれの過半数は、ヒラリー氏を選んでいる。
「トランプ氏勝利で思うこと」に、トランプ氏の勝利は「変化を求める人たちのパワーが、現状維持派を上回ったことを示している」と書いたが、女性、30代以下、白人以外の人種の人たちも、変化は求めていたと思う。けれども、それは、現状を改善する方向での変化だった。
これに対して、トランプ氏を選んだ人たちは、現政権への失望感や、ヒラリー氏への不信感、嫌悪感が強く、それを破壊する変化を求めていた。
トランプ氏の支持者からは「トランプのほうが面白い」「ヒラリーには何の変化も望めない」という声が聞かれた。
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かつて、オバマ氏の「チェンジ」に期待を寄せた国民は、今回、「強いアメリカを取り戻す」と語るトランプ氏に期待を寄せることにした。
その期待がどういう結果になるのか、アメリカ国民が「賭け」に勝つことができるのかどうかは、現時点ではわからない。アメリカ内外で、不安の声も大きい。
しかし、トランプホテルに泊まり、よいホテルだったと言っている人は少なくない。トランプ氏の人間性に関わらず、よいサービスを提供することはできているようだ。
大統領の役割は、ビジネスオーナーの役割とは異なるが、ブレインやスタッフ、サポートする組織の働きは重要だと思う。
副大統領になるペンス氏は、9月のテレビ討論会での好感度は高かったようだ。
閣僚がどういう顔ぶれになるのか、トランプ氏はどうリーダーシップをとっていくのか、世界中の人にとって目が離せない政権になりそうだ。