「〇〇で年収が〇倍、寿命が〇年長くなる」の根拠

世の中にはいろいろな情報が溢れていますが、「その根拠は何?」というものも少なくありません。

私はビジネス雑誌の編集者だったので、情報に関して「それ裏とれているの?」と、デスクや副編集長から言われ、自分がそれらの立場になっても同じことを言っていたので、情報で「裏がとれている=裏付けがある=事実が確認できている」ことは重要でした。

ときには、取材先の経営者自らが言っている会社の数値が勘違いで、同席している広報担当者から「社長、それ〇〇の分です」などとツッコミが入ることもありました。

つまり、一次情報(本人が言っているオリジナル情報)でさえ間違っていることがあるということです。二次情報(人から聞いた情報)や三次情報(情報源が不明な情報)となると、伝言ゲームになって、事実とは異なる可能性は高まります。

なかには、「学術論文によれば」という情報もありますが、それはどの論文で、どこまで信ぴょう性があるのか。それ以前に、その論文を正しく引用しているのか。引用している人が勘違いしている、論文の一部分を引用していて、結論は異なり、似て非なる内容になっていることもあります。

よく聞くから、著名人の発言だから、正しいとは限らない

「〇〇で年収が〇倍、寿命が〇年長くなる」などのインパクトのある情報も多々あり、その関連業界の人はよく使っていたりもしますが、そもそも何の情報なのか、根拠は、と調べていくと、どうもエビデンス(検証結果や証拠)が見つからなかったりします。

しかしながら、そういったエビデンスのない情報や、学術論文の引用が間違っていたりする情報であっても、著名人がYouTubeで発言したりすると、瞬く間に拡がっていきます。

雑誌や新聞、テレビなどの情報の場合、事実かどうかという信頼性に関しては、気を遣っていますが、それでも誤った情報が流れることもあります。

一般人の場合、そもそも「裏をとる」という発想がなかったり、裏のとり方が不十分だったりするので、信頼性に欠けている情報は多々あります。

たとえ著名人の情報であっても、正しくない場合があるので、鵜呑みにせず、「その根拠は何?」ということを意識して、おおもとの情報を確認することをお勧めします。