「年上の女性は、なぜ年齢を言いたがらないのか?」という、若いときの謎が解ける

年齢が上がると価値が下がる?

若いとき、年齢が上の女性は、なぜ自分の年齢を言いたがらないのかと、疑問に思っていましたが、最近、その理由がよく分かります。


それは……

言うことによるデメリットがあるからです。

そもそも生殖能力において、女性には年齢による限界がありますが、そのことと仕事や何かの活動、存在自体を混同させて、年齢が上の女性を価値が低いと見なす人たちが世の中にはたくさんいると感じます。

その人たちは、年齢が上がるにつれて、知力、体力、気力が低下し、価値が低くなっていくと思っているようです。個人差があることを認めようとはしません。なぜなら、その人自身が低下してきたと感じているからです。自分が低下してきているので、皆、低下するはずで、「年齢と低下(衰え)は比例する」と思いたいのです。

その考えなら、男女問わず価値が下がるはずなのですが、男性は女性よりも財力や権力でカバーできると思っている節があります。

女性、とくに年齢不詳の女性が、年齢を言った瞬間、年齢が高い=価値が低い存在だと見なされるのが嫌で、年齢を言わなくなるのではないでしょうか。

私は、50代になってから、仕事のオファーで「これまでの人たちが、40代後半、50代になり、若返りを図りたいのでお願いします」と言われ、年齢を言いたくないなと思いました。

社員として働く場合は、業界や専門性などにもよりますが、転職する場合、男女問わず、以前から年齢の壁みたいなものはありました。フリーランス、個人事業主で働く場合は、業界や職業、立場によるところが大きいと思いますが。

年齢に関する居心地の悪い発言

いずれにしても、年齢のことで揶揄したり、年齢が上の人を一律に否定的に捉える発言を耳にすると、人のことであっても居心地の悪さを感じます。

一方で、自分の年齢を堂々と言う女性もいます。何らかの地位を確立していたり、並々ならぬ自信をもっていたり、まわりが年齢を気にしない環境の方が多いです。
けれども、こういう女性のなかに、聞かれてもいないのに、人のことを、「〇〇さん(女性)は〇歳です」と、わざわざ言う方もいらっしゃいます。

堂々と年齢を言える女性にとっては、年齢を言うデメリットは小さくても、〇〇さんにとってのデメリットは大きいと分かっているのに、「本当のことを言って何が悪いの。そもそも、皆、なんで年齢を隠すの」などの正論でコーティングした発言が返ってきて、なんだか底意地の悪さのようなものを感じます。

さらに、居心地の悪さを感じるのは、同世代や自分より若い人に、「寄る年波には勝てない」「知力、体力、気力が低下している」という話をされ、同意を求められることです。

これは、学生の頃に、級友から「数学ってわけ分からないよね」と同意を求められて、「そんなことないよ」と返すのもどうかと思ったのと似ています。

親しい人の場合は、「そんなことないよ。どの問題? 解説しようか」などと答えていましたが、親しくない場合、同調せずに自慢をする、感じが悪い人と思われる可能性が高いのでは?

そのため、「寄る年波には勝てない」などと言っている人に、「そう思うのなら、何らかの対策を講じたほうがいい。セルフマネジメントが大事」という、喧嘩を売るような発言はなかなかできません(と書くことで、喧嘩を売っているかも。笑)。

そんなこんなで、年齢の話は面倒くさいと感じる今日この頃です。