情報の信ぴょう性について思うこと

NHKのドキュメンタリー番組を見ながら、これまでの歴史的な事実を踏まえたうえで、それぞれの現地を訪れ、さまざまな立場の人への取材を行なっており、それらの一次情報(本人が直接体験した情報)は、なかなか説得力が高いと感じました。

マスコミの場合、一次情報であっても、ファクトチェック(事実確認)エビデンス(根拠)の確認、いわゆる「裏を取る」ことが必要で、この精度がプロたる所以だと思うのですが、手間と時間がかかりますし、チェックする人の見識が必要とされます。
SNSの時代だからこそ、信ぴょう性のある、プロの情報は価値が高いと思います。

偽情報合戦

イスラエルの新聞「ハアレツ」に、イスラエルとハマスによって、偽情報合戦が行なわれていることが書かれていました。
それによると、ハマスがイスラエルを襲撃した10月7日の件も、それ以外に関しても、誤った情報、フェイクニュースが、意図的に流されているようです。

偽情報と言えば、湾岸戦争のきっかけとなったのは、アメリカの偽情報、クウェートの少女、ナイラ証言でした。
これは、ナイラという少女がアメリカの議会で、イラク兵が新生児を投げ捨てたと語り、イラクの残虐性を許してはいけないという世論が高まり、湾岸戦争になりました。
けれども、ナイラはPR会社が仕組んだやらせだということが、後で分かりました。

偽情報による戦争プロパガンダは、第一次世界大戦でもなされており、おそらくもっと昔から行なわれてきたと思います。

ハアレツによれば、イスラエルとハマスによる偽情報合戦は手が込んでいるため、実際のジャーナリスト、報道機関も知らないうちに巻き込まれてしまっていることがあるようです。
ハアレツ自体、ハアレツの記事を拡大解釈したり、独自に解釈した、誤解を招く情報がSNSに流されたりもしているとのことです。

身近な偽情報にも注意

戦争プロパガンダでなくても、意図的か誤解か、人が陥れられてしまうような偽情報が流れることもあります。
組織などで、人を失脚させる意図から偽情報や誤解を生む情報が流されることもあります。
身近な人の場合は、本人に確認したほうがよいでしょう。

身近な人に関係しない情報、SNS、マスコミの情報は、私たちとしては、せめて情報の出所を確認して、事実なのか、根拠はあるのか、意見なのか、意見であれば、その人はどういう立場の人なのかを知ることが必要だと思います。

あと、いろいろな情報を比べてみるのもいいかと思います。
私も、イスラエルとパレスチナの情報に関しては、さまざまな情報発信源を確認しています。
ハアレツ、アルジャジーラ、BBC、イスラエル国防軍のサイトや、イスラエル人とパレスチナ人のジャーナリストグループによるウェブマガジン「+972マガジン」などを見ています。

人は事実かどうかよりも、自分の信じることと合致しているかも含めて、その情報が愉快かどうかで、情報を取捨選択する側面もあるので、偽情報に巻き込まれないよう、気をつけたいところです。