タイムマネジメントの極意
大袈裟なタイトルだが、気づいたのだ。タイムマネジメント(時間管理)を、必要に応じて、かなりきちんと行なう方法に。
「かなりきちんと」という表現は曖昧だが、たとえば、JR東日本は、1日1万2000本以上の列車を、秒単位の正確さで走らせているが、必要に応じて、多くの人がこれに近いことはできるのだ。
JR東日本のような交通機関のみならず、スケジュール通りに、物事を進行させているところはたくさんある。学校は時間割通りに授業を行なっているし、テレビは番組表通りに放送している。映画館の上映や、各種イベントは、プログラム通りに進行する。
私は、長い間、雑誌の編集部で働いていたが、発行日に雑誌が出ないということはあり得ず、許されなかった。
つまり、タイムマネジメント(時間管理)は、必要があれば、多くの人がかなりきちんと行なえるし、そのやり方はある。
けれども、そのやり方を、普通のホワイトカラーの部署で行なおうとすると、嫌がられることが多い。
自分が雑誌の編集部で行なっていたタイムマネジメントを、他部署と一緒に仕事をする際、導入しようとして、嫌がられた覚えがある。
それはどんな方法なのか?
簡単に言うと、仕事に必要な作業内容と、その所要時間を、なるべく細かいレベルで正確に把握して、それに沿って工程を組む。締め切りを、作業ごとに設定し、その通りにやるという方法だ。パッケージ旅行のように、スケジュールに沿って、アラームを鳴らしながら動くのだ。
テレビ局や、シンポジウムなどのイベントには、「タイムキーパー」という、時間を計り、指示を出す人がいるが、雑誌にも、「進行管理」という人がいて、各人がスケジュール通りに仕事を進めているか、管理している。
そもそも、雑誌のスケジュールは、仕事の工程ごとに、何月何日の何時に、誰が、何をどこまで終わらせる必要があるというのが決まっていて、その締め切り時刻は、何があっても守らなければならない。そのために、関係者は、遅れても大丈夫な、余裕をもたせた早い締め切りを各自設定して動いている。
自分や関係者が、具体的に、何をどうしなければいけないのかという作業レベルの内容と、それにどれくらいかかるかという見積りが、ある程度正確にできないと、スケジュールが破たんする。自分はともかく、人が動く分は、読みが甘いと、たいへんな目に遭う。
ということで、タイムマネジメントの極意は、仕事をできるだけ細かくタスクブレイクダウン(タスク分解)して、所要時間を正確に見積り、その通りにやるというものだ。
JR東日本が、各駅間を各列車が移動する所要時間を正確に見積もって、時刻表を作り、その通りに走るということをやっているように、仕事をやればよいのである。
逆に言うと、タイムマネジメントができていない場合、そもそも仕事の分解ができていなかったり、所要時間が見積もれていなかったりするケースが多い。
もっというと、目標に対する戦略(具体的にどうするか)が決まっていないと、何も始まらない。
ということで、実作業と担当をなるべく細かく決めて、それぞれが責任をもって動けば、いっけん大変に見えることも、サクサクと片付いたりする。