「感動話」の改ざん
リンクの記事に関して、感想が2つあります。
記事の概要:
facebookで2万8000以上シェアされている「感動話」が、じつはオリジナルから一部書き換えられていた。内容は、著名バイオリニストがワシントンD.C.の駅で、ストリートミュージシャンを装って演奏した。人々の反応に関して。
オリジナル(ワシントンポスト)では、本人だと気づいたのは1人、気づかないが素晴らしい演奏だと語ったのは7人。
「芸術には鑑賞するのに相応しい環境が必要だ。ストリートミュージシャンでは難しいのでは?」という記述。
改ざん情報では、誰も気づかなかったという内容。
結論は「もし私達は世界で最も才能のあるミュージシャンが、歴史上一番の傑作を演奏してさえ気付かないのであれば、私達は他にもきっと多くの『美しいもの』を見過ごしているのではないか?」ということ。
→ 記事
1)facebookのシェアに関して
facebookやTwitterは、情報を簡単にシェアできるので、記事の指摘のように、事実とは異なる話が出回ることも多いと思います。とくに「感動話」「面白話」の場合は、一気に広がりやすいです。
これは、ある程度仕方がないと思います。よい話をシェアしたいのは善意ですし、裏をとるのも大変です。
そして、事実を伝える場合でも、その人の立場、考え方によって伝える内容は変わりますし、誤解が生じることもあります。
しかし、私が若干危惧しているのは、誤りを指摘する情報は、シェアする人も少なく、伝わりにくいことです。バツが悪く、興ざめな情報はシェアしづらいというのはわかります。
けれども、事実が違っていた場合や異なる意見を、やんわりと(勝ち誇ったようにではなく)伝える柔軟性は、もっとfacebookというより現代人にあってもいいかなあと思います。
2)オリジナルの記事に関して
ワシントンポストの「芸術には鑑賞するのに相応しい環境が必要だ。ストリートミュージシャンでは難しいのでは?」ということに関して、同感です。
芸術に限らず、知らない人に何かを伝える場合には、相応しい伝え方が必要だと痛感しています。
人を紹介する場合も、会社や組織、商品・サービスを説明する場合も、誰がどんな場でどう伝えるのか、伝える内容、外見(人なら風貌、服装、商品ならパッケージ)、演出などによって、受け手の印象は左右されます。
だから、中身もさることながら、それを伝える方法、ブランディング(単なる見せ方ではなく、理念に根差した形で特長、強みをより正しく伝えること)が大切だと感じます。
ビジネスのPRや地域のPRに限らず、国の考えを他国に伝えるのも然り。
相手を知り、自分を知り、効果的な伝え方を日々研究することが大切だと思います。