コーチングは、アメリカのビジネス界では1995年ごろから注目されている手法で、 相手の長所である優れた能力をさらに伸ばし、欠けていると思われる資質を養うサポートをすることで、成績や業績を上げるお手伝いをするものです。
コーチングの語源は、ハンガリー北部のコークス(Kocs)という村の名前で、ここでは、伝統的に自家用四輪馬車が作られていました。
19世紀に、当時の大学生が家庭教師を意味する俗語として、この名前を使ったと言われています。当時の家庭教師は、行き届いた指導をしたため、学生は、自家用四輪馬車で目的地まで連れて行ってもらっているように感じたそうです。
コーチングは、次の表のように、先生や専門家が生徒に教えるティーチングやトレーニング、専門家がアドバイスを行なうコンサルティング、カウンセリングとは異なります。
コーチング | ティーチング、トレーニング | コンサルティング | カウンセリング | |
目的 | 目標達成、課題解決 | 知識、技術の習得 | 企業の経営改善、目標達成 | 相談者の問題解決と癒し |
特徴 | 個人のパフォーマンス(成果、効率)の向上を図る | 知識、技術、決まった型を教え、練習させる | 経営診断、現状分析を行ない、情報提供し、アドバイスを行なう | 相談内容を聞き、経験にもとづきアドバイスを行なう |
関係 | 対等な関係 | 先生と生徒、専門家と素人、上下関係 | 専門家とクライアント | 専門家と相談者 |
主体 | 対象者の話を聞く。対象者に主体的に考えてもらう | 先生・専門家の話を聞く。正解を教えてもらう | クライアントの話を聞く。アドバイスをしながら、共に考えてもらう | 相談者の話を聞く。専門家が問題点を見つけ、癒す |
コーチングは、パォーマンス(成果、効率)を向上させるために、相手を勇気づけ、力を引き出す、相手の主体的な取り組みにより、目標達成や課題解決を図る方法です。
コーチングのフィロソフィー(哲学)は、次の3つです。
1)人は誰でもそれぞれにすばらしさがあり、無限の可能性をもっている
2)ほとんどの人はよい仕事をしたいと思っている。したがって、本人がよりよいやり方に気づくように支援をしたら、悪いやり方はしない
3)人は失敗しながら成長する
「強制」でも「放任」でもない、「自己管理」が必要な時代に、自分がやりたいことをハッピーな状態でやるためのサポートが、コーチングといえます。