「月刊CYBiZ SOHOコンピューティング」 SOHO支援サイト運営者インタビュー(2002年9月)に掲載された記事
SOHO支援サイト 運営者インタビュー ~あの有名HPのウラ側を直撃~
■第2回 べんべん http://www.venven.jp/

紙媒体の編集経験を生かしたWebマガジン
コンセプトはネットベンチャーの生き生きした表情から
【運営者PROFILE】編集長 川嵜昌子さん
1961年5月、長崎市生まれ。長崎大学経済学部経営学科卒業後、出版社での編集者(雑誌、PR誌)を経て、現在の会社、株式会社ベンチャー・リンクに入社。経営者向けビジネス雑誌「月刊ベンチャー・リンク」の編集者→副編集長→編集長になる。1997年、オンラインマガジン「べんべん」を編集長として立ち上げる。現在は「べんべん」編集長の仕事に加え、経営者向けのビジネスレポート(年間2000本)、ビジネスニュース(日刊、週刊など6種類)などを編集・制作する部署の責任者も務めている。

【サイト紹介】べんべん
SOHOや独立志望者に向け、独立への啓発と支援を目的に1997年12月に創刊。発行回数はすでに200回を超える。人気の秘密は読みごたえのあるインタビュー記事や役立つコラムの数々。これまでに、たとえば「インターネットの近未来予想」、「SOHOの仕事に役立つホームページ作成講座」など、読者が思わずクリックしたくなる記事をウィークリーで配信し続けている。
紙媒体からウェブマガジンへ
フィールドを変え新たな可能性に賭ける
―― さまざまな事業を手がける(株)ベンチャー・リンクですが、御社がwebマガジンを創刊された目的は何だったのでしょう?
(株)ベンチャー・リンクは、「NEW BUSINESS CREATOR」としてさまざまな事業機会を創出することを事業コンセプトとしています。
「べんべん」創刊の目的は、21世紀の日本を担う若者や個人に向けて独立への啓蒙と支援を行なうことで、独立予備軍の裾野を広げるとともに、個人が自由にチャレンジできる生き生きとした社会づくりに貢献するということでした。
ただ、当初は普通の紙の雑誌を創刊する予定で、それに付随してインターネットでも情報を発信しようという計画でした。


―― 川嵜さんは、元紙媒体の編集長でいらっしゃるんですよね。
ええ。96年当時、私は、「月刊ベンチャー・リンク」(経営者向けのビジネス誌/当時11万部発行)の編集長をしており、この雑誌(月刊ベンチャー・リンク)の前編集長が、若い人に向けて独立を啓蒙する新しい雑誌(紙の雑誌)の創刊準備を進めていたんです。
結局、私がそのプロジェクトを引き継いだのですが、予算的な問題と、さまざまな可能性を秘めたメディアとして、思い切ってインターネットでの発行に切り替え、1997年12月に現在のような週刊ウェブマガジンとしてスタート。当初のスタッフ数は、私も含めて3人。現在は4人に増えました。
自由にハッピーに生きたいという人の
スタミナ源として「べんべん」を利用してほしい
―― もともと、パソコンやインターネットなどに興味をお持ちだったのですか。
ええ。パソコンに関しては、NECのPC-8001のマイコン時代(1979年~)から遊んでいました。その後、94年頃からインターネットに興味をもつように。インターネットはビジネスや世界に与える影響力が大きそうで、わくわくしていました。当初はNIFTY-Serveを利用し、95年からリムネットでインターネットを使い始めました。
また「月刊ベンチャー・リンク」誌を通じて、インターネットの可能性を探る取材などを行なったところ、新しいタイプの経営者や独立スタイル、コンピュータネットワークを駆使してプロジェクトで仕事をする人たちと出会い、面白いなあと思っていたんです。
彼らは、アメリカ西海岸の自由な感覚のクリエイター系のフリーランサーやベンチャー起業家たち、海外から帰ってきた日本人や、日本にいる海外のフリーランサーなどでしたが、これまでの「脱サラ」「起業家」「男たるもの一国一城の…」とか「背水の陣の覚悟で…」という雰囲気とは違うと思いました。何よりも楽しそうなのです。
「やるからには成功しなければ後がない」「ずっと右肩上がりの売り上げを追求していかなければならない」というプレッシャーがなくて、「いろいろなことにチャレンジしたい」とか「自分のやりたいことをやって、毎日楽しく暮らしたい」という感じで、目がキラキラしている。頭がよく、センスがよく、前向きで明るい。よく笑う。こっちも笑いすぎて顔が痛くなるくらいでした。
そんな時、「SOHO」という言葉を耳にして、「これだな!」と。(べんべんも)ワーク&ライフスタイルとして「自由でハッピー」という部分を大切にしよう考えました。

―― 具体的なコンセプトを教えてください。
「べんべん」のコンセプトは、「自分のやりたいこと、好きなことを仕事にして、自由にハッピーに生きたいという人のスタミナ源。フリーランサー、SOHO、ベンチャーなど、独立して仕事をしている人、いずれは独立したい人、何かをはじめたい人を応援するマガジン」です。
「本当にやりたいことをやっていこう。自分の仕事は自分で生み出そう。会社のルールに縛られるのではなく、自分で決めよう。独立してやっていくのはいろいろ大変だけど、頑張ろう」ということで、読んで勇気づけられる、元気になるマガジンを目指しています。
また、「べんべん」のべんはベンチャー(VENTURE)のVENですが、「ベンベン」とは、古代エジプトの「聖なる石」の名前でもあります。ベンベン石は、「太陽エネルギーを集め、それを回りに放射する四角錐の石で、ピラミッドをデザインするうえで原型になった」「開拓精神、冒険、スタミナ、体力、宇宙的な自覚といった太陽の持つエネルギーを象徴する」と言われていたようです。
このマガジンも、ベンベン石のように、読む人にエネルギーを与えるものにしたいと思っています。
コア読者層は、将来の独立志望者で
20~40代の男性。仕事の進め方は雑誌と同じ

―― 把握されている範囲で、読者の職種や業種・性別・年齢層などを教えてください。
読者の中心は、20~40代の男性で会社員、将来的に独立したいという人たちです。

<参考データ>
年齢層: 10代5%、20代35%、30代40%、40代~20%
職 業: 会社員60%、自営・自由業15%、学生12%、主婦8%、その他5%
自営・自由業以外の人の、将来的な独立(SOHO、ベンチャー)など希望55%
性 別: 男性70%、女性30%


―― べんべんは、記事・読み物が非常に充実していますが、執筆者の方はどういった方法で集めておられるのでしょう? また、記事のネタやテーマなどは編集部サイドで考えておられるのですか?
執筆者は、「月刊ベンチャー・リンク」時代からお願いしている人もいれば、本や雑誌を読んでお願いした人、その人を取材したり何らかの機会に知り合った人、知人を通じての紹介や本人の売り込みなど、さまざまです。
コラムは、最初にこういうものをという打ち合わせをした後、毎回の内容は、執筆者にお任せしています。
特集やインタビュー、その他、編集部の取材ページのネタやテーマは、毎回、編集長と各担当者で打ち合わせをしています。
スタッフは、もともと紙の媒体(雑誌、書籍)の編集者なので、仕事の進め方などは、通常の雑誌と同じように進めています。
「提案型の記事、何らかのヒントになる記事」
に人気が集中するのは、前向きな読者が多いから

―― 実際、読者に人気の高いテーマと言いますと?
人気が高いのは、実用的な役立つ記事ですね。PC環境や自分のサイト、仕事の環境や効率化、モチベーション的な部分など、具体的に「こうすればもっとよくなる」という提案型の記事や、何らかのヒントになるような記事は人気が高いです。それだけ前向きな読者の方が多いのだと思います。

以下、参考までに読者アンケートの結果をどうぞ。

▼読者アンケート結果
■昨年の特集 人気ベスト5
1) インターネットの近未来予想
2) 白色申告の人、今年独立する人は来年は青色申告にしよう
3) フリーランサー三種の神器!?
(共通の必携アイテム、電話、FAX、PCの選び方と、職業別必携アイテムの紹介)
4) 「時間」と「情報」の有効活用で仕事の効率を高める
5) 「コーチング」の発想で、人を育て、自分も本当にやりたいことをやろう

■昨年のインタビューベスト5
1) 輸入雑貨店経営 山口美江
2) トレンダーズ代表 経沢香保子
3) 河合塾講師 牧野 剛
4) CGクリエイター 中川佳子
5) 放送作家、コラムニスト 山田美保子

■昨年の連載 人気ベスト5
1) SOHOの仕事に役立つホームページ作成講座
2) 新商売ウォッチング
3) オンライン診療室
4) 「トイレ命」娘がゆく! 白倉正子
5) 業界のウラ話


―― では最後に、今後のサイト展開についてお聞かせください。また、過去にセミナーなどを開いておられますが、今後もネット上だけでないリアルな場面でのご活躍を予定しておられますか?

今後は、紙の雑誌にはできない部分を追求していきたいと思います。
動画は、以前から実験的にときどき入れてはいたのですが、やはり重かったですね。いまはブロードバンド化が進んでいるので、取り入れていきたいと思っています。インタビューなど声や動きがあったほうが面白いですし。
他にも、いろいろ面白いことをやりたいです。セミナーも本当はやりたいんですが、ついつい目先の仕事に追われて、なかなかやれないのが実状です。