■大きく考えよう ― セミナーから ―

今後どうなっていくのか?

経営者にコンサルティングを行なっている、(株)ベンチャー・リンクでは、「企業経営に成功するために一番大切なことは、「社長が『自分の会社をどんな企業にしたいか』というビジョンを明確にすること」だと言っています。
また、その際、「大きなビジョンだと成功しやすいが、小さなビジョンだと成功しにくい」とも言っています。

大きいと成功しやすいが、小さいと成功しにくい?

これは、受験と同じで、大きなビジョンを描く、すなわち、現在の自分にとって難しい、ランクの高いところを目指す場合と、小さなビジョン、比較的やさしい、ランクの低いところを目指す場合では、姿勢、努力が変わってくるから、結果も変わるということです。

大きなビジョンを描き、高いランクを目指せば、気を引き締め、きちんと考え、戦略を練り、計画も立て、最大限の努力をする必要があります。思うようにいかず、試行錯誤を繰り返すことにもなるでしょう。
しかし、小さなビジョン、低いランクだと、そこまでやらなくても大丈夫だと考え、それほど努力をしないので、頑張ったライバルに抜かれて、失敗することもあり得る、ということです。
高いレベルは難しいから、低いレベルでいい、と思った瞬間、そこに上限がフォーカスされます。
つまり、100点を目指せば、もしうまくいかなくても80点ぐらいはとれるけれども、60点でいいと思えば、40点になってしまうということです。

これは、他のことにも言えます。たとえば、オリンピック選手になることを目標にスポーツをするのと、運動不足の解消を目的にスポーツをするのは、やることも結果も変わるという、しごく当たり前のことです。

さて、不況の今、人々は「守り」に入り、なかなか「大きなビジョン」を描けないでいるのではないでしょうか?
「現状維持できれば、それでいい」「リスキーなことはしたくない」「頑張ったのにうまくいかなかった。これ以上、頑張ってもうまくいくとは思えない」「大きなビジョンどころか、小さなビジョンも描く余裕がない」・・・・・・。

守りに入り、ランクの高いところを目指すのは無謀と感じ、トライしない(できない)ことで、むしろ、成功の確率を低くしているのかもしれません。
「今、このような状況で、やってもムダ」とあきらめ、多くの人が「不安」と「焦り」に苛まれ、「希望」を失っているのではないか、そのことが、負のスパイラルを加速させるのではないか、と感じます。

そういったなか、下記のセミナーは、非常に勇気づけてくれる内容でした。
大切なのは、「できるかどうか」ではなく、「できるまでやること」「できる方法を考えること」だということを、改めて感じさせてくれました。

・不況に打ち勝つリーダーシップとは
 講師:建築家 安藤忠雄氏
 海外27カ所で、チームを組み、仕事をしている安藤氏が、今の日本の国の課題や、リーダーシップについて考えを語っています。初めて、安藤氏のお話を伺いましたが、これまで、写真の印象から、気難しい方ではないかと勝手に思っていましたが、気さくな方でした。歯に衣着せぬ言い方に小気味好さを感じるとともに、スケールの大きさや、人間や自然への愛情を感じました。

・“一人ひとりが世界を変える”方法がここにある
  講師:ルーム・トゥ・リード(Room to Read) CEO ジョン・ウッド氏
  マイクロソフトのエグゼクティブだったウッド氏は、8年前に退社し、非営利団体、ルーム・トゥ・リードを設立。「貧困の連鎖を断ち切り世界を変えるためには子供の教育から」をミッションに、子供たちに本を寄贈する活動から始まり、ネパール、スリランカなどに学校や図書館を建設したり、児童への奨学金を提供しています。それらの活動が紹介されました。

・未来を変える人たち 発展途上国に明るい光を投げかけるBRAC(バングラデシュ農村向上委員会)の活動
 講師:BRAC創設者兼会長 ファザル・H・アベド氏
 かつては最貧国と言われたバングラデシュでは、近年5%成長が続き、この10年間で貧困層が10%以上減少したといいます。そのベースにあるのは、貧困層の中で起業を促し、自力でビジネスを始める人々を支援する仕組み、マイクロ・ファイナンス。グラミン銀行(ノーベル平和賞受賞者のムハンメド・ユヌス氏)と並ぶ、世界最大の非営利機関BRACのアベド氏が、その活動を語っています。

この3つのセミナーの講演者に共通しているのは、「強い信念」です。
安藤忠雄氏の著書(「建築家 安藤忠雄」新潮社刊)に、「とにかく最初から思うようにいかないことばかり。何か仕掛けても、大抵は失敗に終わった。それでも残りのわずかな可能性にかけて、ひたすら影の中を歩き、一つ掴まえたら、またその次を目指して歩き出し ―― そうして、小さな希望の光をつないで、必死に生きてきた人生だった。」と、あります。

この安藤氏の言葉は、クラウゼヴィッツの「戦争論」の一説を思い出させます。
すなわち、「戦争論」には、戦いに勝つには、予期せざる新事態を冷静に受けとめる「理性」と、微弱な内的光に頼ってあえて行動を起こそうとする「勇気」が必要だと書いてあります。また、自分の内的見識を確信しつつ、事態の希望に満ちた側面を見るように心がけなければならない、ともあります。

戦争は、まさに、生きるか死ぬかの現場です。
予期せざる事態にパニックになっていたら死にますが、冷静でいるのは非常に困難だと思います。また、希望など感じられない状況のなかで、あえて、自分の心の中から希望の光を生み出し、その微弱な光を信じて行動しないと、生き延びることはできません。当てになるのは、全然当てにならないと自分でよくわかっている自分だけです。

希望の光というのは、そもそも極めて微弱なものであり、ひたすら追い求めているうちに、あるとき、一気に射し込んでくるのかもしれません。そして、射し込んだかと思ったら、また、移動して暗闇になり、さらに追い求めるという繰り返しなのかもしれません。

・今後どうなっていくのか ― セミナーから ―
・HOME

「イー・ウーマン・オブ・ザ・イヤー2008 議長部門」「2009 議長部門」を受賞しました
イー・ウーマン・オブ・ザ・イヤー2008、2009盾

イー・ウーマン「働く人の円卓会議」(川嵜担当 2010~2000年)円卓会議

 
 
 
Copyright (c) Masako Kawasaki