2010年を振り返る

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年末年始は旅行に行っていることが多いのですが、今年は家にいて、本を読んだりしています。
まず、2010年を振り返ってみたいと思います。

日本のGDP(実質)は、2007年度の562.5兆円をピークに、2008年度539.5兆円(前期比-4.1%)、2009年度526.7兆円(前期比-2.4%)と減少していますが、2010年度は前期比プラスになりそうです。

GDP.jpg
(内閣府データから作成)

2010年4~6月期(実質 季節調整済み)が前期比0.7%増、7~9月期が1.1%増で年率換算では4.5%増となっています(内閣府データ)。
これに対して、いろいろな機関が、2010年度、2011年度のGDP予測を出しています。たとえば、三菱総研では、2010年度3.1%増、2011年度1.0%増としています(三菱総研 プレスリリースPDF)。また、フコク生命では、2010年度2.2%増、2011年度1.5%増としています(フコク生命PDF)。

          ◆ ◆ ◆

日経平均株価の年間騰落率は、2010年は3%の下落(終値1万228.92円)になりました。
ここ数年の推移は、2007年11%下落(終値1万5307.78円)、2008年42%下落(終値8859.56円)、2009年19%上昇(終値1万546.44円)でした。
ちなみに、2010年、米・ナスダック総合は17.5%の上昇、米・ダウ工業株30種平均は11.1%の上昇、香港・ハンセン指数は5%の上昇、中国・上海総合は16.0%の下落です。
上昇率が高かったのは、インドネシア・ジャカルタ総合の46.0%、タイ・総合の40.9%、下落率が高かったのは、ギリシャ・アテネ総合35.0%などです(日経2010/12/30記事より)。

2009年末に、干支で2010年の株相場を占ったBloombergの記事によると、「1949年以降、5回あった寅年の日経平均株価の騰落率は平均でプラス2.8%と、マイナスだった丑年、午年に次ぐ下から数え3番目の悪さ」とあるので、これまでの寅年の平均を下回る結果であったことがわかります。
この記事には、「寅年の世相としては、政治的な波乱が多い」とありますが、当たっているのではないでしょうか。

同じ干支がテーマの一昨年末の日経の記事には、「十二支別の日経平均株価の平均騰落率」も出ています。
これで見ると、卯年の騰落率は23.1%、辰年は29.0%。記事にも、「相場格言でも『卯跳ねる』『辰巳天井』という。寅年に大きな期待は持てなくても、その後の上昇相場に向けた助走期間と位置付ければ、投資の好機との見方も成り立つ」とあります。
しかし、今年、来年、これほどの上昇が期待できる材料があるのか、甚だ疑問です。

          ◆ ◆ ◆

完全失業率(季節調整値/年次)は、2007年(平成19年)3.9%、2008年(平成20年)4.0%、2009年(平成21年)5.1%でしたが、2010年は11月で5.1%、これでも1年前(2009年11月)5.3%に比べると、0.2%改善しています(総務省統計局)。

失業率.jpg
(統計局データより作成)

さらに、帝国データバンクの「2011年の景気見通しに対する企業の意識調査」(2010年11月調査/有効回答企業1万948社PDF)によれば、2010年の景気動向は、「回復局面」3.9%、「踊り場局面」45.5%、「悪化局面」37.6%、「分からない」12.9%、2011年の景気見通しは、「回復局面」9.2%、「踊り場局面」34.5%、「悪化局面」33.9%、「分からない」22.4%となっています。
同レポートには「2009年と比べるとやや改善したが、依然として『回復』局面とする企業は非常に少ない」とあります。

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以上、GDPはプラス予測、日経平均株価は3%下落、完全失業率は若干改善? 企業の景気見通しはやや改善から見ると、2010年は2009年に比べて若干改善の兆しも見え、2011年はとくに企業からすると、改善の維持を期待したいところだと伺えます。

ちなみに、先の三菱総研のリリースには「日本経済は、1)政策効果の逓減、2)海外経済の減速による輸出の鈍化、3)既往の円高進行などを背景に減速しており、10年10-12月期以降、日本経済は踊り場入りし、11年4-6月期にかけて足踏みの状況が続くと予想する。(略)海外経済の行方に大きく依存しており、先行きの不確実性は高い」とあります。
また、フコク生命は「10~12月期は大幅なマイナス成長」になるが「2011年度入り後、外需の持ち直しと相俟って、民間部門の前向きな動きが続くと想定」していますが、「金融危機の再燃や米国のインフレ進行がリスク要因」とあります。

2011年のみならず、これから先は、まさに日本経済のみならず、世界経済が「海外経済の行方に大きく依存しており、先行きの不確実性は高い」という言葉どおりだと思います。
世界中に不安要素があります。ユーロ圏の先行き、米国のインフレ懸念、中国のバブル崩壊、朝鮮半島情勢、日本の国債暴落などなど。これらの不安要素は、実際、何も起きないかもしれませんが、考えてもみなかった新しい事件が起きる可能性もあります。先行き不透明ですが、何らかの爆弾が破裂すれば、世界経済が影響を受けます。

ある意味、世界皆でジェットコースターに乗っているようなもので、抵抗しても落ちるときは落ちるのみ、1人だけ逃れようとしてもかえって怪我をするだけだということでしょう。せめて、そういう心構えだけはしておいたほうがよいかもしれません。

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最後に、昨年の10大ニュースとして、共同通信、YOMIURI ONLINE、All About 専門家ニュースに挙げられているものを載せました。

■共同通信社 2010年10大ニュース
<国内>
1位 尖閣諸島で中国漁船が巡視船に衝突。ビデオ流出騒ぎも
2位 参院選挙で民主党が大敗。ねじれ国会に
3位 厚労省元局長に無罪判決。特捜検事らを証拠偽造で逮捕
4位 普天間移設で日米合意。迷走の鳩山内閣は辞職し菅内閣誕生
5位 宮崎県で口蹄疫の被害が拡大。全国を震撼
6位 観測史上最高の猛暑。熱中症多発で死者も
7位 小惑星イトカワから「はやぶさ」が帰還
8位 所在不明の高齢者が続々と判明。「無縁社会」も深刻に
9位 ノーベル化学賞に根岸英一、鈴木章両氏
10位 15年ぶりの円高水準。政府は市場介入
<海外>
1位 北朝鮮の韓国砲撃などで朝鮮半島緊迫
2位 チリ鉱山落盤事故。69日ぶり作業員33人全員を救助
3位 北朝鮮の指導者金正日総書記の後継者に三男、金正恩氏
4位 中国の国内総生産(GDP)、日本を抜き世界2位の経済大国に
5位 欧州の財政危機。ギリシャからアイルランドに波及
6位 中国の民主活動家、劉暁波氏にノーベル平和賞
7位 米中間選挙で与党、民主党が敗北
8位 通貨安競争が激化。先進国と新興国が対立
9位 メキシコ湾の油井事故で原油が大量流出
10位 中国の次期最高指導者に習近平氏

■YOMIURI ONLINE 2010年読者が選ぶ10大ニュース
<国内>
1位 尖閣漁船事件 ビデオ流出
2位 ノーベル化学賞 根岸氏、鈴木氏
3位 宮崎で「口蹄疫」発生
4位 113年間で最も暑い夏、気象庁発表
5位 鳩山首相退陣、後継に菅副総理・財務相
6位 小惑星探査機「はやぶさ」帰還
7位 参院選で民主大敗
8位 野球賭博関与で琴光喜ら解雇
9位 郵便不正事件の押収証拠改ざん
10位 サッカーW杯、日本は決勝T進出
<海外>
1位 チリ落盤事故、33人救出
2位 北朝鮮が韓国を砲撃
3位 上海万博7300万人入場
4位 ハイチでM7.0 地震、23万人死亡
5位 メキシコ湾で原油流出
6位 金正恩氏が後継に確定
7位 ノーベル平和賞に中国民主活動家の劉氏
8位 韓国哨戒艦沈没、「北の魚雷攻撃で」
9位 ミャンマーで20年ぶり総選挙
10位 アイスランド火山噴火

■All About 専門家ニュース その後どうなった?2010年「10大ニュース」
1位 鳩山総理辞任、菅政権誕生
2位 参院選で民主党惨敗
3位 記録的な猛暑
4位 たばこ税大増税
5位 1ドル=80円の超円高
6位 ギリシャ財政危機
7位 JAL会社更生法申請
8位 メキシコ湾で原油流出
9位 人民元切り上げ
10位 チリの鉱山から33人が奇跡の生還

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