映画「食べて、祈って、恋をして」と本「サヨナラ、あきらめきれない症候群」

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映画「食べて、祈って、恋をして」を見ました。

見終わったときに思ったのは、「これは娯楽映画? 何かを皮肉っている? どこまでシャレなのか、マジメなのか、正直よくわからない」ということです。

主人公の"死よりも恐ろしい、空っぽな心"は、結局、新しい恋人ができて、めでたしめでたしで終わったのか?
それは、十分に自分を見つめ直した後、"愛のために調和を失うことは、調和のある生き方の一部なんだよ"ということでOKなのか?
足るを知るということ?
......

そこで、作り手の意図を知るために、プログラムを買ったところ、「全世界の女性を感動させた、ひとりの女性の実話。800万部を売り上げたベストセラーが、ジュリア・ロバーツ主演で映画化!!」とありました。他にも、非常にマジメなことが書かれていました。

そうなのか、これは大マジメにやっていたのか......。
と、わからないで映画を見に行ったわけですが。

つまり、この映画の主人公は、香山リカさんの本「サヨナラ、あきらめきれない症候群」(大和書房/2003年発行)の人なのか、と思いました。

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映画の主人公は、「キャリアに成功し、幸せな家庭を持った30代女性の憧れのような人生を送っている。ところが当人の心の中は、今の自分が自分でないような不安定な精神状態」。満ち足りているはずなのに「物足りない」、「今の自分を変えたい」と「本当の自分を探し求める」ために「現在の生活をすべて捨てて」旅に出る。

香山さんの「あきらめきれない症候群」に出てくるのも「前向きに一生懸命努力を重ね」「自分磨き」にも励んだ結果、「すべてを手に入れてきたはず」の女性たちですが、「何かが足りない」と感じている。
そして、「本当の私」「本当の幸せ」を見つけるために「必要なのは大変化だ」「すべてを"全取り替え"しなければ」と考える。

結果、旅に出て、アマゾンで暮らしたり、マサイ族の男性への「究極の愛に突っ走ったり」する。それほどでなくても、「自分の証」のために、独身でマンションを買ったり、ブランド品やコスメに走ったり、ホストクラブにお金をつぎ込む。「女性としては失格」といわれたくないから結婚する。

映画の主人公は、プログラムによると「恋愛依存症」で、それに嫌気をさし、「旅の間は恋愛しない」というルールで1年の旅に出ます。が、香山さんの本にも「恋愛依存症」という言葉が出てきて、「キャリア女性ほど『女』にこだわる」とあります。
「仕事ができればできるほど、同時に女性性の証も必要」、女性として認められるためには「男性に選ばれ(つづけ)る必要がある」「男は仕事だけでも評価されるが、女は男に選ばれなければまわりから認められない」とのことです。
なるほど、勝間和代さんが「結局、女はキレイが勝ち」という本を出した理由もわかる気がします。

しかし、「あきらめきれない症候群」の人たちは、映画の主人公と違って、やっと得た「究極の愛」が破たんするなどして、必ずしもハッピーエンドには終わらないのです。

          ◆ ◆ ◆

そんな「本当の私」「本当の幸せ」を探し求める人たちに、香山さんは「あきらめなさい!」と言います。
「そういう女性たちに私は、『あなたに必要なのはただひとつ、さらなる努力や達成ではなくて、"そうか、すべてが手に入るなんてことはないんだな"というあきらめの気持ちなんです』と言ってあげたい」とあります。

「たったひとつの何かをあきらめてみるだけで、すでに持っているたくさんのものが、これまでにない輝きを放ち出す」「一をあきらめれば、九十九が輝く」「『今すでにある自分』を認め、『さぁ、これで十分!』と納得して、あとは余裕たっぷりの毎日をエンジョイすることができる」ともあります。

そのとおり、正論だと思います。
けれども、こういうことは人に言われても納得できない。自分でたどり着かないとなかなかわからないものです。
また、「あきらめる」ということとは少し違うアプローチがあるのかな、と思います。

というのは、「自分探し」をしている人のなかには、他人・世間からもっと褒められる自分、もっと認められる自分、「あるべき理想の姿」を追い求めてはいるけれども、本当に自分がしたいことをやっていない人も少なくありません。

「すべきこと」はきりがなく、「したいこと」とは違い、苦痛だったりしますし、「大変化」を望みながらも、「したいこと」をすることに罪悪感を抱いていたり、失敗を恐れて始められなかったりします。

しかし、「本当にしたいこと」を本気でせず、そこそこの「コンフォタブルゾーン(快適領域・安全圏)」にいるかぎり、心の空洞は埋まらないでしょう。
やはり心の底からわくわくする、本当にしたいことを見つけて、とことんやればいいのではないかと感じます。

そのことについて、アメブロに書こうと思ったのですが、更新していません。すみません。そのうち更新します。

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