「熱き心~寛斎の熱血語10カ条」山本寛斎・著

国際女性ビジネス会議の山本寛斎氏の講演の際、「ここで話すことには限りがあるので、ぜひ著書を読んでほしい」とのことでした。
ぜひ読みたいと思い、会場で著書を購入しようと、売り場に行ったときには、既に本はありませんでした。題名が分からなかったので、それらしい本をネット書店で買いました(買った後、寛斎氏のサイトをみて、その本でよかったことがわかりました)。
「熱き心」という本(PHP新書)です。

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寛斎氏はいつも笑顔という印象がありますが、本の表紙を開くと、両手を開いた寛斎氏の笑顔の写真が載っています。

この前、寛斎氏の講演についてブログに書いたとき、この本はまだ読んでいなかったのですが、この本を読んで、やはり思ったとおりだったと感じました。
どういうことかというと、寛斎氏がエネルギッシュなのは、「好きなこと、やりたいことを、妥協せずに徹底的にやっているからだ」と感じたのですが、そのとおりでした。

「熱き心」によれば、寛斎氏は、ファッションデザイナーとして世界的な地位を確立したにも関わらず、「何か物足りない・・・・・・」と「惑い、悩み、もがくようになってしまった」ということです。

そして、「惑いの原因は、自分が本当に『やりたい』と思ったこと、『これしかない』と思うことをやっていないからだ」と感じたそうです。

「身体中の血がカッと燃えたぎり、喜びにあふれ、『生きていて良かった!』と実感できること。地位や名誉じゃない、お金でもない。ただひたすらそこに情熱を傾けたいと思うもの」
それは何かと追求した結果、「ファッションショーを超えたスペクタクルなショー」という答えが出たようです。

周囲から反対されてもショーを開催した結果、今あらためて「『スーパーショー』こそが、私のそれまでの人生をかけて見つけた本当にやりたかったこと」だとはっきり分かったとのことです。

これを読んで、「そうだったのか」と思いました。というのは、私は15年ぐらい前に、経営者向けの雑誌「月刊ベンチャー・リンク」で、寛斎氏の話を聞きたいと思い、取材を申し込んだのですが、「アパレルの経営からは離れているので」と断わられてしまいました。寛斎氏のエネルギーの源、ユニークさの源を聞きたかったのですが、ビジネス誌から「アパレルの経営者」としての取材は受けたくなかったのでしょう。既にそのときは、「イベントプロデューサー」だったのです。

          ◆ ◆ ◆

「やりたい」と思って編集の仕事を始めた私は、本当にやりたいことをやっているとき、また、やっている人のエネルギッシュさがどんなものかはよく分かります。
けれども、仕事は「苦痛に耐えることによって、その対価を得るもの」という考えの人も少なくないと思います。仕事のみならず、家庭や勉強も然りです。

しかし、寛斎氏は、「熱き心」に、「仕事にしても何にしても、面白くも楽しくもないのに、『やらねばならぬ』『やるべきだ』などという義務感だけでやっても、大して成果は上がらない。自分が好きなことだったらどうだろうか。人に頼まれたわけでもないのに、やりたくて、やりたくて仕方ないほど好きなのだから、徹夜もへっちゃら。集中力も高まり、いいものができる。」と書いています。

そして、寛斎氏は、「『10億円あったら......』といつも考えながら、夢を描いてみたらどうだろう。(略)心の奥底にしまっていた"本当にやりたいこと"が見えてくるはずだ。それがあなたの夢である」と書いています。

10億円あったら何をやるかというのは即答できなくても、10億円あったらこれをやるかどうかと考えたとき、「やらない」と即答できることはけっこうあるのではないでしょうか。
10億円あったらやらないことをやる比率を減らして、10億円あってもやりたいことを増やして、さらに10億円あったらやりたいことのリストを作るといいかもしれません。

          ◆ ◆ ◆

「熱き心」には、また、寛斎氏が冒険家の植村直己さんの本を愛読し、励まされていること、「ケタはずれの夢と情熱を持った同志に出会えた気持ちになれる」ことが、書かれています。

「やっぱり」と思いました。何がやっぱりかというと、これまで取材した経営者で、植村さんなど冒険家やアスリート、考古学者、音楽家、芸術家など、ビジネスとは関係のない分野で、何かを極めようとしている人にひそかに勇気づけられ、頑張っているという人がかなりいました。

冒険や音楽など「そんな趣味のようなことばかりやって、何の価値があるのか」と言う人もいますが、そういった「趣味のようなこと」を極めようとしている人に勇気づけられた経営者が、新しいビジネスや雇用、さまざまな可能性を生み出しているのですから、面白いと感じます。

寛斎氏は、「自分ができると思えば、できる。できないと思えばできない。すべては自分の心の中のエネルギーしだいなのだ。だったら、そのエネルギーを最大限に引き出す生き方をしたほうがトクじゃないか」と書いていますが、まさにそのとおりだと思います。

そして、日本人は「人がどう思うかを気にして自分を抑え込んでしまう」けれども、「他人の評価よりも自分の評価が大切だということ」「人の評価だけを「ものさし」にするな、ということである」とも書かれています。

          ◆ ◆ ◆

ちなみに、副題になっている「寛斎の熱血語10カ条」は下記です。

極意1 外見こそが最も重要な自己表現だ!
極意2 才能を見つけるのは自分自身である
極意3 夢を叶えるコツは、狂ったように欲しがること
極意4 未来に前例などない。迷ったら新しいほうを選ぼう!
極意5 人生には浮き沈みがある。だから退屈しない
極意6 必ず道はある。最後まであきらめない人に未来は開かれる
極意7 好きなことに没頭しよう! そうすれば辛いことも苦にならない
極意8 戦いの前に、「勝つべき理由」を明確にせよ!
極意9 人生の目的はお金を拝むことではない
極意10 見たことのない「美」をとことん追求しよう

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このブログ記事について

このページは、川嵜昌子が2009年8月15日に書いたブログ記事です。

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