「目標がなくても成功できる!」というセミナー

「目標がなくても成功できる!」と題するセミナーに行きました。
これまで、何かを達成したり、成功するためには、「明確な目標」「明確なビジョン」をもつことが必要だと言われてきました。ナポレオン・ヒルの成功哲学をはじめとしたさまざまな自己啓発本には、「目標」「ビジョン」を明らかにすることの重要性が書かれています。
そして、企業や組織では、必ずといっていいほど、今期の目標、今月の目標(数値目標、状態目標)などを設定しますし、目標の達成が強く求められます。

しかし、このセミナーの講師、平本相武(あきお)氏は、アスリートや俳優のメンタルコーチであり、一般や企業向けのセミナーも行なっている方ですが、文字どおり「成功するのに目標はいらない!」(こう書房発行)という本を出されています。
そして、このセミナーの案内には、「『目標を決めてもやる気がでない・・・』『将来が不安・・・』そんなあなたも、目標を無理に設定せずに、必ず成功できます。」「目からうろこが落ちる大人気セミナー」とあります。

私は、やりたいことを仕事にしたこともあり、ある時点までずっと「目標」ということを意識せずに働いてきました。とくに目標を掲げて、達成の努力をしなくても、その折々に「こうしたい」ことは必ず「こうする」、「カレーを食べたいので、カレーを食べる」というノリでやってきました。
そして、あるときから、「目標」を意識するようになりましたが、自分にとって「目標」はときに「すべきこと=ノルマ」になってしまい、「したいこと」に比べて生産性が低いとも感じていました。
そこで、このセミナーは大変興味深く感じました。

<セミナーデータ>
タイトル:目標がなくても成功できる!~『価値観型』 『ビジョン型』タイプ別の成功法則~
講師:平本相武氏(株式会社ピークパフォーマンス 代表)
日時:2009年03月29日 (日) 13:00~15:00
場所:アカデミーヒルズ

セミナーは、講義とワークショップから構成されていました。
平本氏の自己紹介の後、参加者全員が席を離れて行なう「共通点探しゲーム」がありました。
さらに、自分のタイプを探るワークショップが、やはり、席を離れて、全員が参加し、コミュニケーションをとる形で行なわれました。タイプには、「価値観型」「ビジョン型」があり、たくさんの質問のそれぞれについて、自分は「A」と「B」のどちらのほうがモチベーションが上がるか、2つに分かれて、同じタイプの人と話をしました。たとえば、A「成果はあとからついてくるもの」という考えと、B「成果は『これ』と決めて目指すもの」という考えです。
さらに、「価値観型」と「ビジョン型」の2名で組になって、平本氏の解説を聞きながら意見を交換するというスタイルで、セミナーが進められました。

平本氏によれば、「ビジョン型」は、自分はどうありたいか、という「ありたい姿」(行き先)が、モチベーションになるのに対して、「価値観型」は、自分は何のためにやるのか、という「自分らしさ」(理由)がモチベーションになるとのことです。
そして、これまでのセミナーの参加者で「ビジョン型」は2割、「価値観型」は8割とのことで、今回も同じような割合になりました。私は「価値観型」でした。

この2つのタイプによって、成功のアプローチ、アクションプランの立て方は変わりますが、「目標」「ビジョン」を明確にして成功するのは、「ビジョン型」、つまり2割の人だということになります。

          ◆ ◆ ◆

「目標」「ビジョン」に関しては、私も、イー・ウーマンの「働く人の円卓会議」で、何度かテーマに上げており、次のような結果となっています。
「目的・目標をもって仕事をしていますか?」 Yes72%、No28%
「将来なりたい自分、描いていますか?」 Yes70%、No30%
「先を考えた勉強をしている?」 Yes65%、No35%
「10年後の自分想像できる?」 Yes34%、No66%

ここで面白いのは、将来なりたい自分を描いている人は、70%ですが、10年後の自分を想像できるのは、34%ということです。
こうなりたいと思っても、10年後の想像はできない、ビジョンを描いてはいるが、どうなるか(どうするか)、確信はもてないということでしょうか。
常日頃、「目標」「ビジョン」が大切といわれ、意識はしているが、「価値観型」の人が多いので、そこまで明確で揺るがない「目標」「ビジョン」を描いていないのかもしれません。

          ◆ ◆ ◆

成功のアプローチ、アクションプランの立て方に関して、平本氏は、「ビジョン型」には、将来のありたい姿、未来の夢、ビジョンを大目標として、そこから、そうなるために今何をすればいいのか、さかのぼる方法が適していると説明しています。たとえば、10年後にありたい姿をイメージして、7年後、5年後、3年後、1年後、半年後、......とさかのぼります。

これに対して、「価値観型」には、過去充実していたのはどういうときだったかを思い出してもらい、自分のこだわりや大切なことを見つけ出し、それらが生かせて、やりたいことを今始める、価値観にもとづいた出来事を積み重ねていく方法が適しているといいます。

つまり、「ビジョン型」は、「ビジョン」「目標」といった、「未来」を見て、これに向かっていくのに対し、「価値観型」は、「自分らしさ」「こだわり」といった「過去・今」を見て、これに沿って、日々を重ねるというものです。

「価値観型」が多数派を占めるとはいえ、「目標」「ビジョン」を設定しないのは、うしろめたい気がするかもしれません。といって、ライフプラン、キャリアプランを設計しても、実際、これがモチベーションにならず、やはりうしろめたい。人には、行き先がわからないので不安、いい加減、場当たり的と思われがちかもしれません。
けれども、「羅針盤」がないわけではないので、じつは大丈夫なわけです。

しかし、企業や組織の研修などは、明らかに「ビジョン型」向けなので、じつは多数派の「価値観型」には身になっていない、結果、全体の効果はあまり高くないのかもしれません。もっと「価値観型」にふさわしいアプローチを行ない、アクションプランも立てるようにしたほうがいいと思いました。学校教育なども、じつはそうかもしれません。

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このブログ記事について

このページは、川嵜昌子が2009年4月 1日に書いたブログ記事です。

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